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飛行機のライセンスに関する基本【種類から業務範囲までバッチリ】

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飛行機のパイロットになることを考えているとライセンス、つまり操縦者技能証明に関する疑問が次々に湧いてきます。

「ボーイングとかエアバスとかの旅客機を操縦するには個別のライセンスが必要なのは知っているけれど・・・」

当ページは、こんな方を対象に基本的な所から少しマニアックな所を交えて書いてみました。既に訓練を終えている方も再確認にご利用頂けるはずです。

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航空法における基本的な定義

話を深堀りしていく前に基本的な事項に関する定義をシッカリと把握しておきましょう。

航空機とは

「航空機」とは、人が乗って航空の用に供することが出来る飛行機、回転翼航空機、滑空機、飛行船、その他政令で定める機器をいう。

航空法 第二条

航空法では、航空機はこのように定義されています。「人が乗って」とは、着座姿勢で飛行出来るものを指します。

定義から考えれば、流行りのドローンは航空機ではないことになります。ラジコンとかも同じです。

蛇足ですが、無人航空機は次のように定義されています。

「無人航空機」とは、航空の用に供することができる飛行機、回転翼航空機、滑空機、飛行船その他政令で定める機器であつて構造上人が乗ることができないもののうち、遠隔操作又は自動操縦により飛行させることができるものをいう。

航空法 第二条

つまり「航空機のパイロット」であれば、人が乗れる飛行機、回転翼航空機、滑空機、飛行船のどれかを操縦することが出来ることになります。

航空機の分類(限定)

航空法では、航空機の操縦者技能証明(パイロットのライセンス)は航空機の種類・等級・型式について限定されています。

  • 種類(Category) = 飛行機/回転翼機/滑空機
  • 等級(Class) = 単発/多発/陸上/洋上/ピストン/タービン
  • 型式(Type) = Boeing/Airbus,,,,

初見だと分かりづらいですが、航空機の分類毎に制限があると考えればOKです。そもそも日本語の「種類、等級、型式」のそれぞれの意味の違いなんて良く分からないですよ(笑)。ちなみに、英語では、上から順にCategory, Class, Typeという風になっていて、覚えるまで取っつきにくいです。

それぞれの航空機の種類別に自家用・事業用・定期運送用の操縦士技能証明が存在します。(以下では簡単に自家用パイロット、事業用パイロット、定期運送用パイロットとします)

つまり、「飛行機の自家用パイロット」、「回転翼機の事業用パイロット」という風にライセンスがあるということです。

ここまでで飛行機のライセンスに関する簡単な確認が終わりました。それぞれのライセンスで許可されている業務範囲へ移る前に少し休憩しましょう。

飛行機のパイロットのライセンスの小咄

陸上単発の等級の免許があればピストン機もタービン機も操縦できる

日本においては、飛行機の技能証明を、陸上単発ピストン機で取得しても陸上単発タービン機で取得しても発行されるライセンスの限定欄には「陸上単発」しか記載されません

陸上単発という等級について限定を受けた「飛行機」の免許さえ持っていれば、型式が限定されていなければ、等級という観点で考えればピストン機でもタービン機でも操縦することが出来ます。

ただ、そんなことをする人はおバカさんです。訓練なしで等級の異なる飛行機に乗るのは危険すぎます。型式限定が無くても乗ったことが無い型式の飛行機に乗るときは必ず訓練(慣熟飛行)を受けてから一人で乗りましょう。

回転翼機(ヘリコプター)では話が変わってきます。発行されるライセンスに「陸上単発ピストン」とか「陸上単発タービン」まで記載されるためです。ライセンスを取得する時の試験で使う機体によって発行されるライセンスが異なり、業務範囲も少し変わってくるという訳です。

同じ航空機のライセンスでも飛行機と回転翼機で結構な違いがあるんです。

特定操縦技能審査は同一の「種類」について求められる

特定操縦技能審査とは「航空機に乗るためには二年に一回検査を受けなければなりませんよ」と定めたルールです。小型航空機等の航空事故等が続発していることを背景に導入された仕組みです。

特定操縦技能審査は航空機の種類ごとに行う

009/17「特定操縦技能審査制度」 の導入について

「特定操縦技能審査は航空機の種類ごとに行う」ということは、飛行機で特定操縦技能審査を受けてしまえば、特定操縦技能審査の観点だけで考えれば、二年間はどんな飛行機も特定操縦技能審査を再度受けることなく乗れるということになります。

つまり、いつもボーイングとかエアバスに乗ってるパイロットが、特定操縦技能審査をセスナみたいな小型機で受けても、合格さえすれば特定操縦技能審査上は問題ないということになります。そんなことをやる人は居ないと思いますが。

さて。それでは次に、それぞれの技能証明の業務範囲について確認していきましょう。

パイロットの業務範囲

細かい具体的な業務範囲の話に進む前に、ザックリとそれぞれのライセンスについてついて理解しましょう(飛行機のパイロットを想定して、色々なことを割愛して考えています)。

  • 自家用操縦士 = 趣味で自分のために飛行機を飛ばすパイロット
  • 事業用操縦士 = 一人で操縦することが出来る飛行機の機長として誰かのために飛行機を飛ばすパイロット
  • 定期運送用操縦士 = 一人で操縦出来ないデカイ旅客機(エアライン)の機長として飛行機を飛ばすパイロット

これを踏まえて、航空法における業務範囲(資格別の出来ること)の定義を見ていきましょう。業務範囲は航空法二十八条と別表に定義されています。

自家用パイロットの業務範囲

  • 航空機に乗り組んで、報酬を受けないで、無償の運行を行う航空機の操縦を行うこと

要は、趣味で自分のために飛行機を飛ばすパイロットです。上で書いたことと変わりません。

事業用パイロットの業務範囲

  • 自家用操縦士の資格を有するものが行うことが出来る行為
  • 報酬をうけて、無償の運行を行う航空機の操縦を行うこと
  • 航空機使用事業の用に供する航空機の操縦を行うこと
  • 機長以外の操縦者として、航空運送事業の用に供する航空機の操縦を行うこと
  • 機長として、航空運送事業の用に供する航空機であって、構造上、一人の操縦者で操縦することができるものの操縦を行うこと

上で書いたことに補足すると、事業用パイロットであれば、自衛隊や警察・消防などの業務が出来る他、エアライン等の副操縦士としても業務を行えることになります。

定期運送用パイロットの業務範囲

  • 事業用操縦士の資格を有するものが行うことが出来る行為
  • 機長として、航空運送事業の用に供する航空機であって、構造上、その操縦のために二人を要するものの操縦を行うこと
  • 機長として、航空運送事業の用に供する航空機であって、特定の方法又は方式により飛行する場合に限り、その操縦のために二人を要するものの操縦を行うこと

少し雑ですが、定期運送用パイロットのライセンスがあれば、航空法上の業務範囲という意味での制約はありません。

分かったような分からないような、そんな感じです。

業務範囲に関する考察

報酬、無償、有償とは?

  • 報酬:操縦者が得るお金(給料)
  • 無償の運行:フライトに対して依頼者にお金を請求しないもの
  • 有償の運行:フライトに対して依頼者にお金を請求するもの

報酬、無償、有償・・・。良く分からない言葉が並んでいます。それぞれの言葉に対する私自身の理解は上記のようになります。

・・・。

改めて業務範囲を見直してみると、自家用パイロット、事業用パイロット、定期運送用パイロットの何処にも報酬を受けて、有償の運行を行う航空機の操縦が無いことに気づきます。

これはどういうことでしょうか。

傭兵(フリーの)パイロット

「報酬を受けて、有償の運行を行う航空機の操縦」が定義されていないということは、航空法の業務範囲の定義に則れば、フライトに対して依頼者にお金を請求出来るのは事業者(法人又は相当する組織)のみとなります。

つまり、「航空法ではフリーのパイロットの存在は想定されていない」ということになります(あくまで私の解釈です)。

エリア88で描かれるような傭兵の戦闘機乗り(フリーの飛行機乗り)は航空法的には想定されていないんです。

正確に言うなら、フライト自体の見返りとして報酬を受取ることが出来るフリーのパイロットが想定されていないということになります(フライト自体に対する報酬という名目でない形で報酬を貰えば、フリーのパイロットは存在し得ることになります)。

最後に

これから飛行機の訓練を始める方や航空機のライセンスの種類に興味がある方向けに本記事を書きました。訓練を始めると、航空法を始めとして、当ページで紹介したような細かい話を含めた色々な勉強をすることになります。これからを考えるにあたり、少しでも参考になれば幸いです。

既に訓練を始めている人や訓練を終えている方は、定期的に身につけた知識を思い出す作業も必要かと思います。当ページを始めとして、他のページでも身につけた知識を思い出すお手伝いが出来れば幸いです。

法律の細かい部分は必ず「解釈」の議論になります。最低限の根拠となる航空法については出典を明記しましたが、間違いや指摘等ございましたら、コメント等でお知らせ頂ければ幸いです。読者の皆様と色々な議論が出来れば幸いです。

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