パイロットになるための訓練をしていると日々の訓練の準備に忙殺されることがあります。
プロのパイロットとして航空会社や使用事業会社で働いていれば話は少し変わってくると思いますが、訓練生の内は、天気資料の準備〜考察・重量重心計算・航空情報の確認、、、など他にも沢山の事前準備を「一から」する必要があります(訓練する場所によっても変わってくるようですが)。
そんな時に一般に公開されている便利ツールを知っているのと知らないのとでは大きな差になります。訓練初期段階の何も分かっていない時から便利ツールを積極的に使うことは個人的にはオススメはしませんが、頭を使わない単純な繰り返しの作業になってしまっていることがあるのなら、紹介するツールを使ってみるのも良いでしょう。
以下では主にアメリカ・日本で訓練をするパイロット訓練生に役立つ「天気・計算・航空情報・検索・チャート・勉強ツールや参考リンク、スマホアプリ」を紹介しています。
なお、使用に際してはそれぞれの訓練事情等を勘案してください。
Weather(天気)
アメリカ向け
Flight Service 1800wxbrief、最高です。ウエザーブリーフィング、ノータムの確認、ナビゲーションログの作成、フライトプランの提出まで一気通貫で一つのプラットフォームで行うことが出来ます。
繰り返しますが、最高です。世界中の航空行政にシステムを販売してほしいくらいです。このサービスを知ってしまうと、アメリカの航空産業のシステムがどれだけ進んでいるか肌で感じることが出来ます。
他のサービスやリンクは参考程度ですね。
日本向け
Windy はパイロット訓練生であれば98%位は知っているサービスと思われます。が、慣れてしまうのは危険です。公的な資料ではないため 、日本で実地試験を受ける時などはやや使いづらいのです。
フライトお天気にも訓練中はお世話になりました。一日の初めに天気の概要を掴むのに重宝していました。
気象庁の各種リンクは基礎資料のはずなのですが、何故かまともに知らない訓練生が居たりします(笑)。
Aviation Calculation(計算)
Web版の航法計算盤はちょっとした確認や手元に航法計算盤が無い時に使えます。パイロット電卓は、旋回半径や旋回率を細かく求めたいけど、ラップトップを開くほどでは無い時にスマホで使用していました。
Aviation Information(航空情報)
日本向け航空情報
ド定番ばかりですが、やっぱり大事なので。
上記の中で最も認知されていないのは、NOTAM地図と思われます。公的な資料ではないので、日本で実地試験を受ける時などは使いづらいですが、AISと併せて使うことで格段に時間短縮になります。
航空機事故情報
- Global Display Of Aviation Incidents & Accidents
- Aviation Safety Network
- The Aviation Herald
- PlaneCrashInfo.com
いずれも世界の航空機事故について、日々最新の情報をアップデートしてくれているサービスです。公的なサービスではないので注意が必要ですが、情報は早いです。
Chart(チャート)
Webでチャートを見るなら Sky Vector と言う人も多いのでは?
VFR Chartの上に飛行経路を描いたり、各種数値を入力することでナビゲーションログを自動で生成したりすることが出来ます。ただし、基本はアメリカ向けのサービスなので注意が必要です。
ATC
言わずと知れた、飛行機大好きっ子のためのATCたれ流しサービスです。
(秘密の保護)
何人も法律に別段の定めがある場合を除くほか、特定の相手方に対して行われる無線通信を傍受してその存在若しくは内容を漏らし、又はこれを窃用してはならない。
ずっとぼんやりと気になっているのですが、Live ATC は電波法の上記の文言には該当しないんでしょうか。ATCは「公共の福祉を増進することを目的」とする航空法をベースに運用されている行政サービスなので、「特定の相手方に対して行われる無線通信」には当たらないのかも知れませんね。良く分かりません。
詳しい人がいらっしゃったらコメント等で教えて下さい。まだまだ知らないことばかりです。もう一度、航空無線の勉強をし直します。
Search(検索)
Flight Radar 24 は説明不要ですね。航空業界以外の方にも認知されつつあるサービスです。
JA Search と N-Number Inquiry はそれぞれ、機番から所有者(所有法人)や定置場を調べることが出来るサービスです。自分が気になる飛行機が何処に現れるのかを知るために使ったり出来ます。飛行機大好きっ子のためのサービスの一つです。
Study(勉強)
勉強の参考になるサイトは全て英語のサイトになってしまいました。英語で情報を吸収すれば、一石二鳥なので、良しとしましょう。
FAA公式資料
- FAA Handbooks & Manuals
- Aircraft Handbooks & Manuals
- Advisory circulars、Advisory circulars browse by Topic
- All Safety Alerts for Operators (SAFOs)
これ、全部読むべし。ただ、めちゃくちゃな数があるので無理です。もしシッカリ読んで身につけたら航空業界で何かしら職を得れそうです。超がつく優良な教科書たちです。
英語にも慣れることが出来、無料で、質も高い。この資料で文句があるなら、どんな資料でも満足出来なそうです(発展的な内容や理論についてはカバー出来ないことも多いかも知れませんが)。
「少し航空業界に興味があって勉強してみたいけど、お金をかけて教科書を買うほどではない」という方にも活用頂けるはずです。
超オススメ。重要なので、力説。超オススメ。
その他
勉強に際して、先のFAAの右に出るクオリティのものは無いと思っていますが、参考までに一般公開されているサイトをご紹介。
boldmethod は英語で何か検索すると高確率でヒットするサイトなので知っている方もいるかも知れません。直感的に分かりやすい図や動画を多様している勉強にもってこいのサイトです。
Smartphone App(スマホアプリ)
- AeroWeather Pro – Lakehorn AG
- Live ATC
- FltPlan Go for iPhone – FltPlan.com (Flight Plan LLC)
- MyRadar – Aviation Data Systems, Inc
METAR, TAF をスマホで確認するのは最早常識です。これらの情報をチェックするためのアプリケーションは数多くありますが、一番のオススメは AeroWeather です。最初から使用してたので、ただ慣れてしまっただけなのですが、画面もシンプルで無駄な情報が少ないので気に入っています。
LiveATC はスマホアプリでも提供されていますが、個人的にはウェブサイトで十分です。好みですね。
FltPlan Go は日本での使用は想定されていません。アメリカで訓練をしている方にオススメです。ForeFlight の無料版的なものと考えれば良いでしょう。
身体検査対策に活用出来るスマホアプリにつきましては、下記のページに別途まとめています。併せてご覧下さい。
自費でパイロットになろうとする道に踏み込もうとすると、必ずぶち当たるのが「身体的に問題がないかどうか」という問題です。最初にハッキリさせておくと、これに対する明確なYes/Noの答えは専門医以外は持ち合わせていません。更に言えば専門[…]
最後に
実際に道具として使って時間短縮に繋がるようなツールは列挙してみると少なくなりました。勉強の参考になるサイトのリンクが殆どです。
ただし、参考になるリンクであることは保証します。勉強の材料になる情報は身の回りに沢山溢れていますが、使うか使わないかは自分次第です。少しでも皆様の訓練の参考になれば幸いです。
最後に、訓練を初めたばかりの訓練生に役立ちそうなまとめページを用意しました。併せてどうぞ。