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新型コロナウイルスによる影響を最も受けた日本の航空会社(エアライン)

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JALANAと続けて新型コロナウイルスへの対応を発表したことは記憶に新しいですね。機内の消毒、機内空気の潔癖性に関する説明、客室乗務員のマスク・手袋の着用、予約航空券の振替・払い戻し等々。

日本国内のエアラインは多くありますが、ほぼ全てにJAL、ANAの資本が入っています。そのため、日本国内のエアラインに関しては横並びの対応をすることになるでしょう。

今回は、新型コロナウイルスにより国内の航空会社が受けた影響について考察します。資本的には国内のエアラインはJAL、ANAしか存在しないため(一部の例外は除きます)、JALとANAのどちらか大きな影響を受けたのか・受けるのかを軸に考察してみたいと思います。

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世界の航空会社(エアライン)が受けている影響

日本国内のエアラインの状況を見ていく前に、世界の航空産業が新型コロナウイルスによって受けている影響について確認しましょう。

These Are The Airlines Most Affected By Coronavirus – Simple Flying

同種の情報が溢れかえっていますが、上記にざっと目を通せば、状況を理解するには十分です。

細かい内容は割愛しますが、IATA(国際航空運送協会)は、新型コロナウイルスによる全世界のエアラインの損失を3.2兆円と試算しています。

Cathay Pacific Scraps 96% of Flights as Virus Stops Travel – Bloomberg

日本人にも馴染みのあるキャセイパシフィック航空では、輸送能力の96%を削減する旨が報道されています。

想像以上の影響が世界中のエアラインに及んでいます。

日本国内の航空会社(エアライン)が受けている影響

続いて、JAL、ANAについて見ていきましょう。


Japan’s airlines fear historic losses | NHK WORLD-JAPAN News

リンク先の内容をまとめます。

  1. 4月までの3ヶ月で30億ドル(3000億円)の収益の減少が予想され、日本国内航空産業全体の10%に相当する規模である。4月以降も影響が残ることを考慮すると、リーマンショックを凌ぐ影響が予想される
  2. 定期航空協会によると、国内・海外路線を問わず、キャンセルが急増しており、昨年度と比較して45-60%の落ち込みである(国内路線45%、海外路線60%

JAL、ANA、両社ともに業績上は国内路線による収益の方が海外路線よりも大きくなっています。数字上はANAの方が国内路線と海外路線の収益が肉薄していますので、上記の記事の内容から考えて、JALよりもANAの方が新型コロナウイルスの影響を強く受けていることが考えられます

参考データ


ANA, JAL expand flight cuts as coronavirus hits travel demand | The Japan Times

一方で、3月までにキャンセルされた便数の総数を比較すると、JALが3000便以上、ANAが2224便となっています。便数上は、ANAよりもJALの方が大きな影響を受けています

結局、ANAとJALどっち?

収益の構成的にはANA、便数的にはJALと述べました。

国内路線・海外路線に投入される機材の特性を考慮すると(Hub2Hub or Point2Point)、海外路線のキャンセル・減便の方が業績に大きなインパクトを与えそうです。

つまり、総合的には、JALよりもANAの方が新型コロナウイルスによる影響を受けていると考えられます。

まとめ

アメリカでは航空業界団体が既に桁外れの支援(6.1兆円)を政府に求めています。日本の航空業界では、まだニュースになる程の動きは出ていませんが、4月以降の動向によっては類似の話が持ち上がることが必至です。

航空業界への就職を目指す皆様に置きましては、航空業界を取り巻く環境がそのまま就職の可否に直結します。引き続き、新型コロナウイルスの影響を注視していきましょう。