「高級取り」とされる職業は多くあります。このページを訪れている方の頭には、その1つとして「飛行機のパイロット」が浮かんでいるのはではないでしょうか。そして、それは「エアラインパイロット」のはずです。
航空業界の方でなければ「飛行機のパイロット」としてエアラインパイロット以外の職種は中々思い浮かばないからですね。では、実際の所、エアラインパイロットの年収はどの程度なのでしょうか?
①統計データ②インタビューを元にエアラインパイロットの年収の実際の所に紐解いてみましょう。インタビューについては全て国内のエアラインパイロットに関するものであることを了承下さい。
これから借金をしてパイロットの訓練を始めようとしている方々・将来の職業の選択肢として(エアライン)パイロットを考えている方々は、借金返済の計画策定やモチベーション維持に役立て頂けるのではないかと思います。
!「〇〇エアライン 年収」等のキーワードで当ページを訪れる人が多いため追記致します。!
副操縦士・機長、勤続年数、年齢、飛行時間の多寡、海外の路線の有無、役職の有無などなど様々な要素で給料・年収の数値は変わってきます。当ページで挙げた各社の各数値は、実際にインタビューを通じて得た数値ではありますが、あくまで参考程度に捉えて頂きますようお願い致します。
パイロットの年収を統計データから考えてみよう
日本国政府の公表する統計資料で「賃金」に関するものがあります。
賃金構造基本統計調査 平成30年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種 | ファイル | 統計データを探す | 政府統計の総合窓口
上記リンク先に「賃金構造基本統計調査 平成30年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種 1 職種別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額」という項目があります。
この統計データからパイロットの年収について確認してみましょう。
統計データによると、2018年の企業規模が従業員10人以上の会社で「所定内給与額」と「年間賞与その他特別給与額」の和が上位5位までの職種は次のようになります。年度、企業規模に応じて変動がありますので詳細が気になる方は元のデータを参照して下さい。
- 航空機操縦士(3938.1)[千円]
- 大学教授(3564.5)[千円]
- 大学准教授(2727.6)[千円]
- 公認会計士・税理士(2709.5)[千円]
- 一級建築士(2335.2)[千円]
エアライン以外の航空機操縦士が含まれていることにも留意が必要ですが、このことから「航空機操縦士」が高給取りである事実が統計から確認出来ます。
エアラインパイロットの年収、感覚値的には?
では、実際の感覚値的にはどうなのでしょうか?
以下では、個人的な知人へのインタビューを通じて得た各エアラインの年収・勤続年数・月の平均フライトタイムを例として挙げておきます。若干盛られている傾向があるようにも思いますし、切り上げか切り下げなのかでも変わりますし、額面か手取りなのかでも変わりますので正確性は微妙な所です。ご了承下さい。
自分が答える側になったら、盛ってしまいそうになる気持ちも分かります。聞いている側が「パイロットに高級取りであることを期待している」訳ですから。でなければ、こんな質問はしません。
- JetStar(ジェットスター):副操縦士、三年目、年収1400万円、月80hr〜90hr
- J-AIR(ジェイエア):副操縦士、初年度、年収800万円、月50hr〜60hr
- Peach Aviation(ピーチアビエーション):副操縦士、三年目、年収1200万円、月70hr〜80hr
- ANA Wings(ANAウイングス):副操縦士@737、五年目、年収1500万円、月70hr〜80hr
感覚値的には、エアラインパイロットの年収は副操縦士で年収800万〜年収1500万円程度となりました。年収に大きな幅があるのは、フライトタイムの差異によるものです。大きな幅がありますので、上記に無いエアラインについても範囲内に入っているものと考えられます。
機長になりますと、更に給料が増えます。基本的に副操縦士の給料は機長の給料の0.6〜0.65倍で設定されておりますので、先程の数値を参考にすると、エアラインパイロットの機長の年収は年収1300万〜2300万程度となります。
更に、更に、ここに勤続年数や役職に応じた若干の変動が出てくることになります。
JetStar(ジェットスター)のパイロットが高給であることは以前から知られていました。少し前まで自社での副操縦士養成をしておらず、高給で人材を引き抜いて来る必要があったことが背景にあります。その他LCC各社(エアアジア、春秋)のパイロットの年収の状況については、ピーチと変わらない水準と推測されます。
いずれも自費でパイロットになっている知人から伺った内容ですので、いわゆる「本体」と呼ばれるJALやANAについては情報がありません。噂(又聞きの又聞き位の話)やインターネットなどの情報を参考にすると、額面上は大きな差はなさそうです。
フライトタイム1時間当たりの給料を考えよう
エアラインによって年収に約2倍の開きが出るのは驚きですが、基本的にはフライトタイムの差異によるものと考えられます。つまり、忙しいか忙しくないかという感じでしょうか。
フライトタイムによる差を除去するために、前述の副操縦士の年収をフライトタイム1時間当たりで考えてみましょう。
- JetStar(ジェットスター):15.5万円/hr
- J-AIR(ジェイエア):13.3万円/hr
- Peach Aviation(ピーチアビエーション):15万円/hr
- ANA Wings(ANAウイングス):18.7万円/hr
フライトタイム1時間当たりの給料で考えてみても1.4倍程度の開きがあります。
インタビューで得た年収に関する回答が正しいとするならば、業務内容がほぼ同じにも関わらず、フライトタイム1時間当たりの給料に40%近くの開きがあることになります。
「同じ業務でここまで給料の差異が出るはずがない!」という視点に立つと、会社毎の社員の特色が透けて見えてくると考えることが出来るかも知れません(各社サンプル数は一人ですが)。少なめに給料を他人に伝える人と、多めに伝える人、をイメージした時に思い浮かぶ人物像ありますよね。ここで表現したいのはそれです。
結論
統計のデータ的(事実)にも感覚値的(インタビュー)にも、平均所得と比較して、間違いなくパイロットは高給取りであることが分かりました。
統計データの中には、エアラインパイロット以外の職種も含まれておりますので、給料を理由にエアラインパイロットを目指している方がいるとするならば、エアラインパイロット以外の「飛行機のパイロット」の職種も考えてみても良いかも知れません。
エアラインパイロット以外の職種にも興味がある方は、航空事業を行う国内の事業所から想像を膨らませることが出来ます。チェックしてみて下さい。
有価証券報告書の情報を元に国内のエアラインパイロットの年収についてまとめた記事を新しく公開しました。こちらも併せてご覧下さい。
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