check-star

JCAB 航空局パイロット採用の全て【配属先・業務内容・機材・応募資格】

check-star

パイロット訓練生に限らず、日本の空を飛んだことがある方なら必ずお世話になっている「航空局(Japan Civil Aviation Bureau = JCAB)」。インフラの整備はもちろんのこと、法整備、免許発行などなど、パイロットが安全に飛行をする上で必要となる様々な仕組みを策定・管理する国土交通省管轄の組織です。

パイロットが安全に飛行出来る環境を提供するために、航空局もパイロットを抱える必要があります。試験官は馴染みのある職種ですが、航空局のパイロットとしての仕事には他にも多彩な種類があるのはご存知ですか?

今回は、JCAB 航空局パイロット(国土交通省操縦職員)の配属先・業務内容・機材・応募資格を中心にまとめることで、採用の全体像について見ていきます。

プロパイロットとしてのキャリアをスタートするためのチャンスは色々な所に転がっています。

Advertisement

JCAB 航空局パイロット(国土交通省操縦職員)について知ろう

配属先(担当業務)にはどんなものがあるのか?

  1. 運航審査官又は航空事業安全室専門官
  2. 航空従事者試験官
  3. 運用課(飛行検査業務)

航空局操縦職員としての配属には以上の3つが存在します。一口に「パイロット」と言っても航空局という国の組織だけあって、業務内容が多様ですから配属も複数あるのは納得です。

つづいて、各配属先における業務内容について見てみましょう。

運航審査官、航空事業安全室専門官とは?

航空機の安全運航のため、航空事業安全監督官、運航審査官は、航空運送事業者の運航及び整備実施体制の確認、航空機自体の安全性の確認、人々が安心して航空機を利用できるよう努めています。

東京航空局より引用

「運航」という形で表現されているのがポイントですね。詰まるところ、航空運送事業者の航空機の運用に関わる全業務のチェックを行うのが運航審査官、航空事業安全室専門官と言えます。現場における長い経験と実運用に即した深い知識が求められる業務です。

航空運送事業者の航空機の運用に関わる全業務のチェックを行う訳ですから、航空運送事業のパイロットとしての飛行経験が必須と言えそうです。

業務に関連する飛行機として特定のものは無い筈ですが、航空運送事業者のチェックをすることを考えると、多様な大型機(旅客機)に携わることになるでしょう

航空従事者試験官とは?

航空従事者試験官は、航空機の操縦、整備に携わる航空従事者の試験を行い、人々が安心して航空機を利用できるよう努めています。

東京航空局より引用

航空局の発行する免許を持っている方ならお馴染みですね。ただ単に「試験官」と呼称することが多いです。

航空局の試験官は、操縦士に求められる知識・操縦技量・判断力などを総合的に審査・判定して、免許を発行することが出来る大きな権限を持っています。法の番人と言える方々ですから、航空法に関する深い知識が求められます。

実地試験中、試験官は後ろ席に乗って審査を行う場合が殆どですが、受験者の操縦する航空機の右席に乗る場合もあるようです。各航空機の知識や操縦技量も当然必要となります。自衛隊出身の試験官の方が多いイメージがありますが、使用事業出身の方も在籍していると伺っています。

航空従事者試験官の特性を考えると、多様な小型機に携わる機会に恵まれるでしょう。小型機は多くの場合、型式限定を必要としませんが、①審査する立場②奈良県で発生した小型航空機墜落事故の影響で、型式(C172, PA28-R,,,)によっても試験を担当出来る・出来ないが変わりそうです。

奈良県で発生した小型航空機墜落事故を受けて「型式限定を必要としない航空機であっても、経験したことのない型式の航空機を操縦するにあたっては、当該航空機を操縦するために必要な知識及び技能を確実に獲得した上で行うよう操縦士に対して指導すること」となりました。

運用課(飛行検査業務)とは?

航空保安施設等が正しく動作しているかを確認する飛行検査、航空機が飛行する飛行方式等に誤りがないかを確認する飛行検証及び新たな技術を用いた施設又はシステムの開発を支援する飛行調査について、飛行検査機を用いて行う業務

国土交通省 飛行検査業務より引用

ざっくり言うと、各種NAVAIDの検査、飛行方式設定基準に則って設定されたSID・APCH等を飛行検査機を用いて飛行調査する業務です。飛行検査及び調査、飛行検証の二つに大別され、内容はそれぞれ下記の通りです。

飛行検査及び調査の内容

  1. 航空保安施設等の運用開始前に先立って行う検査(開局検査)
  2. 所要の間隔で定期的に行う検査(定期検査)
  3. 航空機事故、機器更新及び飛行方式等の設定などに伴って行う検査(特別検査)
  4. 空港計画調査、航空保安施設等の設置位置選定調査、航空障害灯等に関する調査、新たな技術を用いた施設やシステム等を評価する調査(飛行調査)

飛行検証の内容

  1. 新たに飛行方式等が設定される場合に行う検証(設定検証)
  2. 飛行方式の設定後に定期的に行う検証(定期検証)
  3. 飛行方式が改正される場合に行う検証(改正検証)
  4. 航空機事故又は特に必要と認めた場合に行う検証(特別検証)

飛行検査対象施設、年間検査回数、飛行検証の検査回数は細かく決められています。興味のある方はリンク先で詳細をチェックしてみてください。

飛行検査に用いられる機材

  1. ガルフストリーム IV(Gulfstream IV)× 2
  2. Bombardier Global Express BD-700 × 2
  3. SAAB 2000 × 2
  4. DHC-8-300 × 1

やや年式は古いようですが、いずれもジェットエンジンを積んだ豪華な機体が揃っています。機材だけを見ても、エアラインだけに絞って就職活動をするのはもったいないです。

ちなみにコールサインは「チェックスター」です。カッコいい!新幹線でドクターイエローがありますが、あれになぞらえてドクターホワイトと呼称する場合もあるそうです。

JCAB 航空局パイロット(国土交通省操縦職員)の応募要件

過去に、全ての配属先の募集が一斉に公開されたことがあります(今後もあるのかは不明です)。その時の応募資格を元に、配属先別の応募要件をまとめます。 文面を簡素化するため、一部に加筆・修正を加えていることをご了承下さい。全文は下記のリンク先よりご覧になれます。

航空局操縦職職員の募集(平成30年10月15日)

運航審査官又は航空事業安全室専門官の応募要件

  1. 昭和38年4月2日以降に生まれた者
  2. 高等学校卒業以上の学歴を有する者
  3. 次の技能証明等の全てを有する者
    1. 定期運送用操縦士技能証明(飛行機)
    2. 航空運送事業(T類)の機長として3年以上&600時間以上の飛行時間を含む飛行機による2,000時間以上の飛行時間
    3. 航空無線通信士
    4. 有効な第一種航空身体検査

航空運送事業の機長としての経験と飛行時間が必要になりますが、必要な経験を貯めるのにそこまで沢山の時間はかからなそうです。国の運航審査官を目指すキャリアプランも有りかも知れません。前回募集時の採用予定数は4名でした。

航空従事者試験官の応募要件

  1. 昭和38年4月2日以降に生まれた者
  2. 高等学校卒業以上の学歴を有する者
  3. 飛行機又は回転翼航空機に係る次の技能証明等の全てを有する者
    1. 定期運送用操縦士技能証明、または、事業用操縦士技能証明及び陸上多発の等級限定、計器飛行証明
    2. 機長として600時間以上の飛行時間を含む2000時間以上の飛行時間
    3. 航空無線通信士
    4. 有効な第一種航空身体検査

航空運送事業の機長としての経験が必須ではありませんので、海外CFI等で時間を貯めて書き換え後、目指す道もあります。前回募集時の採用予定数は4名でした。

運用課(飛行検査業務)の応募要件

  1. 昭和44年4月2日以降に生まれた者
  2. 高等学校卒業以上の学歴を有する者
  3. 次の技能証明等の全てを有する者
    1. 定期運送用操縦士技能証明(飛行機)、または、事業用操縦士技能証明(飛行機)及び陸上多発の等級限定、計器飛行証明
    2. 航空無線通信士
    3. 有効な第一種航空身体検査

非常に魅力的な業務内容・機体でありながら、応募要件が最も緩いです。就職活動中のパイロット訓練生の皆様にとっては選択肢として十分に考えられるでしょう。前回募集時の採用予定数は1名でしたので、狭き門となっています。

航空局パイロット(国土交通省操縦職員)の年収

航空局パイロットの年収や給料についてもまとめておきたかったのですが、人事院が公開しているデータの中で、参照すべきデータが分かりませんでした。航空局パイロットの年収・給料を知る上で人事院が公開するデータの参照すべき部分をご存知の方がいらっしゃればご教授いただければ幸いです。

上記リンク先のどこかにはあるはずなのですが、いかんせん全職種の国家公務員の給料の実態調査としてまとめらているので、参照すべき箇所を見つけるのも勘所を掴まないと難しいのです。

JCAB 航空局パイロットの採用について

航空局パイロット(国土交通省操縦職員)の採用は以下の3つのサイトに募集要項が公開されます。航空局のページとは別に①東京航空局②大阪航空局の2つがありますが、都道府県に応じて管轄が東京航空局か大阪航空局に決まっているだけなので気にする必要は無いでしょう。

募集要項を確認しても「国土交通省航空局操縦職職員」の国家公務員として採用されることになるので、採用後にどちらの管轄になるか決まるだけと考えられます。都道府県に応じて管轄が決まっているため、異動などによって流動的に東京航空局と大阪航空局を行き来する例もあるのかも知れませんね。

公開されている情報には、重複しているものもあれば、していないものもあるように見受けられます。全ては検証していないので不明ですが、少なくとも複数で公開されている採用情報は同一のものです。

どれか1つでも自分の中でチェックするサイトを決めておいて定期的にチェックするするのが良いですね。

最後に

今回は航空局パイロットの業務内容・配属先・機体・応募要件・年収についてまとめました。

航空局のパイロットは、プロパイロットを目指す訓練生の間では、必要な飛行時間や経験の問題もあり、中々話題に上がらない就職先候補です。

なかなか情報が無いのも一つの要因のはずです。このページをまとめるにあたっても公式の情報を探すことに務めましたが、見つけられる情報は限られていました。現役の航空局パイロットの方が、当ページを拝見することがございましたら、間違いなどご教授頂ければ幸いです。

配属先によっては応募要件も充足出来、業務内容や機体も十分に魅力的です。是非、一つの選択肢として考えてみてはいかがでしょうか。

Advertisement
check-star
Like & Follow us !