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プロのパイロット(エアライン)になって三年が経過して思うこと 〜悪いこと編〜

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パイロットを目指して訓練に励む人にとって、エアラインパイロットになることは一つの大きな夢です。しかし、実際に仕事を始めてみると、思い描いていたものとは異なる現実に直面することが多くあります。ここでは、エアラインパイロットとして三年を過ごした今、感じる「悪いこと」について正直にお伝えします。
※3年以上経過してますが、便宜上、3年としました。

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パイロットはブルーカラーである?

エアラインのパイロットは、外から見るとエリートで洗練された職業のように見えるかもしれません。しかし、その実態は意外と「ブルーカラー」的な仕事です。私は前職がホワイトカラーだっただけに、強くそう感じます。

毎日の業務は、事前のブリーフィング、機体の点検、チェックリストを基にした確認作業など、繰り返し作業の連続です。フライトの手順も毎回ほぼ同じで、安全を守るために手順を忠実に守り続けることが求められます。

こうした作業は、細かな注意を払い、同じことを繰り返す職人のような集中力を必要とします。派手さはあまりなく、どちらかというと現場の労働者的な感覚が求められるのが、パイロットという職業の実態と感じます。

飛行機のパイロットはブルーカラー(肉体労働者)である

飛行機のパイロットは最高の仕事?

空を飛び回るパイロットの仕事は、憧れを抱かせる特別な職業に見えるかもしれません。確かに、非日常的な経験や、各地を飛び回る生活は一種の魅力であり、とても楽しいものです。

事実、私も少ないキャリアの中で「(飛行機の)パイロットの仕事は最高の仕事だ」という(日本人の)パイロットの方を少なくない数見てきました。

しかし、日本人の多くのエアラインパイロットは他の職業や業界を経験したことがない場合が殆どです。外の業界に接する機会や比較することが少ないこともあり、「他の世界を全く知らずに」パイロットが最高の仕事であると言いがちです。

パイロットの仕事には夢がある一方で、狭い視野で当然のように語られることが多い世界に少しだけ辟易することもあります。

寿命を削りながら生きている

エアラインパイロットは、長時間にわたるフライトや不規則な勤務時間のため、身体的にも精神的にも負担が大きいです。長時間座りっぱなしのフライトでは腰や肩に負担がかかり、不規則なスケジュールは睡眠不足や体内時計の乱れを引き起こします。

さらに、航空機は高高度を飛行するため、放射線被曝のリスクもあります。高高度では大気の保護効果が弱まるため、宇宙からの放射線を直接受けやすくなり、長距離フライトを頻繁に行うパイロットは累積被曝量が増加します。こうした環境下で働くことで、健康リスクが他の職業に比べて高まるというのも見逃せない事実です。


パイロットという職業には、確かに夢や魅力がありますが、現実の負担やリスクを理解しておくことが大切です。これからパイロットを目指す方々には、この現実を踏まえてキャリアを考えていただければと思います。

プロのパイロット(エアライン)になって三年が経過して思うこと 〜良いこと編〜